漫画のネームがスイスイ描けるようになるたった一つのコツ

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こんにちは。KYKYです。

今回はネームが描けない、展開が思いつかないという方に向けての記事です。

この記事に書いてあることを実行するだけで
ネームがスイスイ書けるようになります。

僕は最近、二週間でネームを150P分描きました。
10Pくらいの読み切りを二つ…20P
15Pくらいの読み切りを二つ…30P
50Pくらいの読み切りを二つ…100P

どれも途中の展開に迷わずサクサク書けました。


何故かというとそれは

「ネームを描く前にプロットを決めた」

からです。




「プロットってなんだよハゲ」
という方にざっくり説明しますと、
作品の設計図みたいなメモ書きのことです。

脚本の更に前の段階に当たります。

映画だとプロット→脚本→撮影となりますが
漫画ならプロット→ネーム→原稿となります。

どちらも今後の作業の方針を決める
重要な設計図の役割を果たします。

それがプロットです。

プロットをキチンと決めてからネームを描くだけで
ネームを驚くほどスムーズに描けるようになります。

ネームはいきなり描こうとしない


漫画を描く時にいきなりネームから描こうとしていませんか?


そのやり方だと途中で詰まってしまう可能性が高いです。
何せいきあたりばったりですから。

僕がネームを描く時はプロットを必ず作るようにしています。
ネームを描く時にプロットを見ながら描くことで
スムーズに描いていけることができるというわけです。

逆に言えばプロット無しだと2週間で150P分もネーム描けませんw
僕がネームを描けるのはプロットのおかげなんです。



プロットの作り方

「じゃあプロットってどうやって作りゃいいんだよハゲ」
と思ったあなた、ごもっともです。

具体的なプロットの作り方を解説します。

ちなみに、読み切りを想定していますが
連載漫画も読み切りを長いページを使って
やっているだけにすぎませんので
連載漫画にも応用できます。



1.まず事件と解決を作る

どんな事件が起きて、それを主人公がどう解決したかを考えます。
事件はありふれたことでおkです。
解決方法はユニークなものにすると個性が出ます。

が、慣れないうちは変に個性なんか出そうとしなくていいです。

ありきたりでいいです。
まず事件と解決策を考えて下さい。
事件と解決策がありきたりでも
漫画は魅力的なキャラが出てくればカバーできます。

ここで一つ重要なポイントがあります。

「事件解決するのは必ず主人公にする」
この一点です。

例えば、地球を破壊しようと悪い宇宙人が攻めてきた…という
事件を考えたとしましょう。

それに対し、地球防衛軍の一員である主人公は
宇宙人に対抗するべく巨大ロボットを作成。
ロボットに乗り込み宇宙人を撃退した…

これだと主人公が事件解決してますよね?

もしこれが

地球を破壊しようとする悪い宇宙人が攻めてきたが
宇宙人達の宇宙船にたまたま隕石が衝突。
悪い宇宙人達は宇宙船ごと爆発し、地球の平和が守られた…


「おいおいなんだよそのオチはwwww」
ってなりますよね?w


なので、主人公が自らの手で事件を解決したことを
二行くらいでいいので簡潔に書いてみましょう。


事件:村にモヒカンの悪党どもが攻めてきた
解決:暗殺拳を使う主人公が悪党を倒した

事件:かわいい女の子が「バスケ部に入らない?」と誘ってきた
解決:女の子の期待に応えるべく、主人公はバスケ部に入部して活躍した

事件:学校が定員割れで潰れそう
解決:主人公はアイドルグループを立ち上げ人を集めて、定員割れを阻止した


知っている方にはすぐわかりますよね?
上から順に北斗の拳、スラムダンク、ラブライブです。

北斗の拳ラブライブは関連記事書いています)

このようにどんな作品でも事件と解決に圧縮できます。




2.主人公が事件解決してどう変わったか考える

次に主人公のキャラをざっくりでいいので決めます。
この時大事なポイントがあります。

それは主人公が事件解決前と後で変化していることです。

例えばスラムダンクの桜木花道。
彼は事件前は女の子(ハルコさん)にモテたいという動機で
バスケを始めています。
しかしだんだんとバスケが好きになり
最終回付近では
「(バスケが)好きです。今度は嘘じゃないです」
とまで言っています。

このように主人公が事件を解決したことで変化する…。
言い換えると「成長」する要素を作っておきます。

成長はよくあるパターンでもいいです。
臆病な少年が戦いを通じて勇敢になったとか
自己中なJKが気になるアイツとの交流でいたわりを身に付けたとか
そういう世間一般的に好ましいとされる変化にしましょう。

逆にバッドエンドな作品を作りたいなら
優秀な医者がオペにミスって患者を死なせてしまい殺人鬼になった
繊細な少年が戦争で人殺しばかりして摩耗し精神崩壊した
こういうふうに好ましくない変化にすればいいわけです。


ただ例外もあります。

主人公が完ぺき超人系のヒーローなキャラだった場合です。
ヒーローな主人公が大活躍する話は人気がありますよね。
彼は最初から完成したキャラなので、変化はしません。

じゃあどうすればいいか?

彼に関わったキャラに変化を作りましょう。

うじうじしていた少年が事件に巻き込まれる
主人公に助けてもらう
その結果、少年は困難に立ち向かう勇気を得る…

こんな具合にです。




3.事件解決までの過程を考える

ここまでで事件とその解決方法、
主人公の変化を決められたかと思います。

そしたら後は展開部分を考えていきましょう。

例えばももたろうで考えてみます。
ももたろうの事件と解決はこんなかんじですね。


事件:都で鬼が暴れている
解決:鬼ヶ島に乗り込んでいって鬼を退治する


さてこれをそのままネームにするとどうなるか?

最初の数ページで桃太郎が誕生
その後鬼の悪さを説明するページ
そして桃太郎が鬼ヶ島へと攻め入り鬼を倒す
エンディング…






このままだとちょっと味気ないですねw

なので旅立ち~解決の間にいろんなエピソードを入れましょう。

桃太郎ならイヌ、サル、キジを
きびだんごで仲間にするという展開ですね。


このエピソードを突っ込めば突っ込むほど
話というのはボリュームが増えるわけです。

なのであまりページがない読み切りは数エピソード
長い連載なら何百ものエピソードを入れることになります。

この時コツが一つあります。

それは「エピソードは事件解決に関連性があるものにする」ことです。

ももたろうなら、イヌサルキジを仲間にするというエピソードは
ももたろうの戦力を増強し、鬼退治の成功率を上げています。
仮にイヌサルキジがいなかったら
ももたろうはやられていたかもしれません。

入れるエピソードは事件解決に関連性があるものにしておく
このことを踏まえておくと、例えばももたろうに

・途中で街の鍛冶屋を鬼から助ける
・その鍛冶屋は鬼を倒せる退魔の刀を作っていた
・ももたろうは助けたお礼に鍛冶屋から退魔の刀を受け取る

こういうエピソードを入れることも可能です。
もちろんこの退魔の刀は「鬼退治」という事件解決に貢献します。
さらに鍛冶屋が鬼に襲われているという描写で
鬼の悪党ぶりを表現することもできます。

これがもし
「鍛冶屋がエイリアンに襲われている」
「鍛冶屋は大工の為にのこぎりをつくっていた」
とかだったら?

鬼と鬼退治に関連性がないエピソードになってしまいます。

関連性のないエピソードを入れるとどうなるか?
読者はテンポが悪いなと感じてしまいます。
なので関連性のないエピソードは入れないように気を付けましょう。


後はネームを描くだけ


1.まず事件と解決を作り
2.主人公の変化も作り
3.事件解決までの過程を考えたら

後はこのプロットを元にしてネームを描いていくだけです。

賞に応募する作品などでページ数があらかじめ決まっている場合は
プロットに「ここからここまでで1~3P」などと
メモしておくといいでしょう。

大まかな指針があれば後半になって
「やべーページ数全然足りねー!」となることを防げます。




ゴールが既にあるという安心感


プロットを何故書いてもらったかというと
1のステップ「事件と解決を考える」
これが出来た時点で既にもう作品の終わり方が決まっているんです。

つまりゴールが明確になっている。

なのでネームを描いている人が一度は訪れるであろう
「どうやって終わりに持っていこう…」という
悩みが無くなるんですね。

プロットをちゃんと書いてから作品作りに取り組むことは
地図を持っている状態と等しいわけです。

プロット無しで作品を描く…
つまり地図無しで旅行に行くことを考えてみてください。

「今進んでる方向はあっているのか?」
「明日までに目的地にたどり着けるか?」

こんな不安を抱えてしまいますよね?
がむしゃらに進んでいればいつか目的地に着けるかもしれません。
しかしハッキリ言ってむっちゃ効率悪いです。

でも地図さえあれば
「あ、目的地はここよりちょっと西の方だから軌道修正しよう」
「今この辺だから今日の夕方までにはたどり着けるな」
と、ある程度予測できます。
効率と安心感が違いますよね!



プロット無しでネームを描くことの
恐ろしさがおわかりいただけたであろうか?


というわけでプロットをしっかり決めて
ネームを描いてみましょう。
驚くほどスイスイ描けるようになりますぜ!




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